ロシア外務省は20日、来年2月に期限が切れる米ロの新戦略兵器削減条約(新START)を巡り、核弾頭数の凍結と1年間の延長に応じる用意があるとの声明を発表した。米国務省は同日、歓迎する意向を表明し、合意に向けて直ちに交渉に入る考えを示した。米メディアは、合意が間近に迫っていると伝えている。
米ロ間に唯一残る核軍縮条約の延長交渉が進展し、失効が回避される可能性があるが、双方の立場はなお隔たりがある。合意しても暫定的な延長にとどまる見通しで、新STARTに代わる新たな枠組みに向けた交渉期間を確保するためとの見方が強い。
米側は当初「全ての核戦力を凍結する」ことを条件に一定期間延長する案を打診。ロシア側は無条件での1年間延長を提案したが、米側が拒否した。今回、ロシアは期間中の核弾頭数の凍結を受け入れ、米側が他に要求を出さないことを条件に1年間の延長交渉に臨むと表明した。
国務省の報道官は「検証可能な合意をまとめるため、直ちに協議する準備ができている」と発表した。トランプ政権は中国を含めた枠組みが必要だとの立場を崩してない。(共同)