【ワシントン時事】来月3日の米大統領選まで残り10日となった24日、共和党のトランプ大統領(74)は三つの州をはしごして演説し、最終盤のてこ入れに全力を挙げた。民主党のバイデン前副大統領(77)も激戦州の東部ペンシルベニア州で2回の集会を開き、舌戦を繰り広げた。

激戦フロリダで「地殻変動」 カギ握るヒスパニックと高齢者―米大統領選

 トランプ氏はこの日、南部フロリダ州で期日前投票を済ませた後、南部ノースカロライナ、中西部オハイオ、ウィスコンシン各州を専用機で飛び回る異例の過密日程。演説では「あと10日間ある。何も心配していない」と語り、世論調査で優勢のバイデン氏に対する追い上げに自信を見せた。

 新型コロナウイルスをめぐっては「状況は良くなっている。(大統領選は)トランプの超好景気かバイデンの経済封鎖かの選択だ」と訴えた。ただ、この日回った3州を含め国内の感染者は急増しており、24日は新たにペンス副大統領の首席補佐官の陽性も確認された。

 一方、トランプ氏と対照的にバイデン氏が開催したのは、車に乗ったままの聴衆に対して演説する「ドライブイン集会」。ウイルスをまき散らす「スーパースプレッダーにはなりたくない」とし、政権のコロナ対応に関して「やり方を変えない限り暗い冬が来る」と批判した。会場でトランプ氏支持者がクラクションを鳴らして妨害すると、バイデン氏が「あそこのバカども」と声を荒らげる場面もあった。