• iPhone売上高は新機種発売控え21%減-MacとiPad、サービスは好調
  • 業績見通し示さず、iPhone12の反応は「大いに良好」-クックCEO

アップルの株価が29日の時間外取引で一時約4%下落した。同日発表した7-9月(第4四半期)決算では、スマートフォン「iPhone(アイフォーン)」販売が市場予想に届かず、中国の売上高が落ち込んだ。

  重要なホリデー商戦を含む四半期の業績見通しは示さなかったが、ティム・クック最高経営責任者(CEO)はアイフォーン12シリーズが好評を博していると述べた。コンピューター「Mac(マック)」販売やサービス収入は7-9月期に過去最高に達した。

  アップルの7-9月期売上高は647億ドル(約6兆7700億円)と、同四半期としては過去最高。ブルームバーグが集計したアナリスト予想平均の635億ドルを上回った。1株利益は73セントで、これも市場予想より好調だった。

  アイフォーンの売上高は新機種発売を控えて21%減少した。クックCEOは第5世代(5G)移動通信ネットワーク対応アイフォーンやその他の新型機への反応は「大いに良好だ」と述べた。

  アップルにとって重要地域の1つであるグレーターチャイナ(大中華圏)の売上高は29%減の79億ドルと、数年ぶりの低水準。ルカ・マエストリ最高財務責任者(CFO)はブルームバーグテレビジョンとのインタビューで、中国ではアイフォーン以外の製品が2桁の伸び率だったと説明。アイフォーンの大画面機種の「12 Pro Max」が同地域で「非常に好調」で、同社は10-12月(第1四半期)の中国販売の伸びを確信していると付け加えた。

  同社は新型コロナウイルス感染流行の影響が続いているとして、業績見通しを今回も示さなかった。マエストリCFOは米国と欧州の感染者増加による不確実性に言及した。ホリデー商戦を含む四半期は例年、同社にとって最も重要な時期で、今年はアイフォーン12や「iPad Air(アイパッド・エア)」の新モデル、スマートスピーカー「ホームポッド」の廉価版、自社設計プロセッサー搭載のマックなどを投入する。

  マエストリCFOはアイフォーン12が「10年に1回の好機」である「5Gの追い風」を受ける製品だと述べ、同社が楽観していることを明らかにした。

  7-9月期の製品別売上高はアイフォーンが264億ドル(市場予想平均271億ドル)。アイパッドは68億ドル(同61億ドル)、マックは90億ドル(同80億ドル)。

  「アップ・ストア」や「アップル・ミュージック」、「iCloud」などを含むサービス事業の収入は145億ドルと、前年同期の125億ドルから増加し、市場予想平均の139億ドルを上回った。

原題:Apple Falls After IPhone Sales Miss Estimates, China Drops 29% (抜粋)