• 金融・財政の刺激措置、社債市場の問題を不明瞭に
  • 航空、ホスピタリティー、不動産は長期的な変化に直面

米投資会社アポロ・グローバル・マネジメントは、新型コロナウイルス関連のリスクがクレジット投資家を窮地に陥れかねないとして、引き続き警戒している。過剰流動性によって経済が受けた打撃の度合いが分かりづらいためだ。

  アポロのシニアパートナーで、副最高投資責任者(CIO)兼グローバル社債共同責任者のジョン・ジト氏によれば、パンデミック(世界的大流行)に対応した金融・財政刺激措置は偽りの安心感をもたらしている可能性がある。

  ジト氏はインタビューで、「現実には複数の業界が経済的ダメージを受けているのに、株式市場などの流動性が強い安心感を与えている」と述べた。

  調査会社プレキンのデータによると、民間債務市場は2012年から19年にかけて2倍以上に拡大し、昨年には8500億ドル(約89兆円)規模に達した。公的債務やプライベート・エクイティー(PE、未公開株)と比べて、高い利回りや相対的な安全性が投資資金を呼び込んだ。

  ジト氏は航空やホスピタリティー、商業用不動産業界が直面する長期的な変化についても懸念していると話した。

原題:Apollo Credit Co-Head Zito Warns of Risks Hidden by Liquidity(抜粋)