3日投票の米大統領選挙で、民主党候補ジョー・バイデン前副大統領が重要州のミシガン、ウィスコンシン両州を制し、勝利に大きく近づいた。共和党候補で現職のドナルド・トランプ大統領は少なくとも2州で集計の停止を求めて法廷闘争に乗り出した。
CNNとNBCは、トランプ氏が4年前に勝利したミシガン州をバイデン氏が制したと伝えた。この結果、バイデン氏が獲得した選挙人は264人と、勝利に必要な270人に迫った。トランプ氏は214人。バイデン氏は残る5州のうち1州を制すれば勝利するが、ネバダ州ではリードしており、同氏陣営はジョージア州でも勝利を見込んでいる
バイデン氏は4日、デラウェア州ウィルミントンで記者団に、「ここで勝利宣言をするつもりはないが、集計が終わればわれわれが勝利すると伝えたい」と語った。
大統領選開票に関する動きは時系列で以下の通り。
バイデン氏がミシガン州で勝利-CNN、NBCが伝える
トランプ氏が4年前に勝利したミシガン州でバイデン氏が勝利したとCNN、NBCが伝えた。
バイデン氏、激戦州のウィスコンシンで勝利-AP
バイデン氏は激戦州の一つ、ウィスコンシン州で勝利したとAP通信が報道。選挙人10人を代表する同州は、ヒラリー・クリントン氏が4年前に落としていた。
ウィスコンシン州選管、選挙結果は12月1日に「認定」
ウィスコンシン州選挙管理委員会のメーガン・ウルフ氏は4日、全ての票がそろったと述べたが、12月1日まで選挙結果を認定することはなく、それまでは公式の集計結果を明らかにしないと述べた。CNNはバイデン氏が同州で勝利したと伝えた。
トランプ陣営のビル・ステピエン選対本部長は、同州の複数の選挙区で不正が報告されているとして票の数え直しを要求する文書を発表した。
バイデン陣営:大統領選に勝利する軌道にある
バイデン陣営はジョージア州の勝敗は五分五分の見通しだが、ノースカロライナ州はトランプ氏勝利に傾いているとみている。
一方、ミシガン州とウィスコンシン州、ペンシルベニア州、ネバダ州では勝利できる見通しで、ウィスコンシン州の勝利は4日午前に、ミシガン州の勝利は4日中に確定するだろうとの見方を示した。
トランプ氏、「票の廃棄」あったと主張-証拠示さず
トランプ氏は残る激戦州の一部でリードを失ったのは「想定外の票の廃棄」があったためだと、証拠は示さずにツイートで主張した。この投稿についてツイッターは、一部ないし全部の真偽が疑われ、選挙について誤解を招く恐れがあるとの警告を追加。ユーザーは自主的にクリックしないと閲覧できなくなった。
バイデン氏がミシガンで逆転、デトロイト周辺部で票稼ぐ
ミシガン州ではバイデン氏がトランプ氏からリードを奪い逆転した。伝統的に民主党が強いデトロイト北部近郊などで票を稼いだ。同州の開票率は90%とみられる。
バイデン氏、ネバダ州でのリードが縮小
2016年にヒラリー・クリントン氏が僅差で制したネバダ州で、バイデン氏のトランプ氏に対するリードが縮小した。最新の集計によると、バイデン氏のリードは8000票(0.64ポイント)未満に縮小。
トランプ氏「最高裁まで行く」集計停止求め-ノースCなどで勝利主張
トランプ氏は4日未明、ホワイトハウスで開催したイベントで演説し、選挙では不正が横行しているとして、投票の集計を停止するよう連邦最高裁に申し立てる方針を表明した。その上で、根拠を示すことなく、「私に言わせれば、われわれは既に勝利した」と述べ、ジョージア、ノースカロライナ両州を制したとも主張した。
原題:Biden’s Wins in Michigan, Wisconsin Put Him on Brink of Victory(抜粋)