米大統領選での激戦州の一つであるアリゾナ州では、メディアにより結果予想が異なる展開となっている。AP通信など一部が早い段階で民主党バイデン候補の勝利確実を報じた一方、接戦で勝者はまだ分からないと伝える報道機関もある。

  アリゾナではバイデン氏のトランプ大統領に対するリードが6万8390票(2.3ポイント)に縮まっており、APは開票の行方を見守っている。トランプ陣営は同州での選挙結果予測を取り消すよう求めている。

  アリゾナは選挙人が11人となっていることから、同州の結果は極めて重要だ。バイデン氏がこれまで獲得した選挙人は264人で、あと1州で勝利に必要な270人に達する。

  FOXニュースもアリゾナ州はバイデン氏が勝利と報道。だがCNNを含めた他のメディアはまだ勝者は分からないとしている。メディアはAPを含めた情報源に基づき、それぞれ独自に判断する。

President Donald Trump supporters rally, Wednesday, Nov. 4, 2020, outside the Maricopa County Recorders Office in Phoenix. (AP Photo/Matt York)

  勝敗予測に関する長年の経験と洗練された集計システムにより、米国ではAP通信が選挙当日における準公式の結果報道機関となっている。最終の公式結果は、選挙人による12月の投票に先立ち各州が認定するが、選挙から数週間かかることが多い。

  ブルームバーグ・ニュースを含む多くの報道機関はAPの報道内容に従っている。ブルームバーグはこのほか、2つ以上の主要ネットワークがそれぞれ独自にどちらかの候補の勝利確実を報じた場合、それも考慮する。

  APは米東部時間4日午前2時50分にバイデン氏が勝利確実と報道。その時点での開票率は約80%で、バイデン氏はトランプ氏に対して13万票(約5ポイント)リードしていた。

  APは4日、「未集計分でトランプ氏がバイデン氏に追いつくには不十分だ。未集計の票には、バイデン氏支持の多いマリコパ郡の郵便投票が含まれる」と説明した。

原題:Arizona Results Draw Different Conclusions by News Outlets (1)(抜粋)