【ブリュッセル時事】欧州の首脳たちは7日、米大統領選でバイデン氏の当選が確実になったことを受けて一斉に祝福のメッセージを贈った。トランプ現政権の「米国第一」主義で傷ついた米欧同盟修復への期待感を示し、まずは歓迎ムードが広がっている。
ドイツのメルケル首相は声明で「バイデン氏との協力を楽しみにしている」と表明。「大西洋間の友好関係は必要不可欠なものだ」と訴えた。フランスのマクロン大統領もツイッターで「現在の課題克服のためにやるべきことはたくさんある。協力し合おう」と呼び掛けた。
北大西洋条約機構(NATO)は、トランプ氏による度重なる欧州の同盟国批判や一方的行動で亀裂が生じている。NATOのストルテンベルグ事務総長は、バイデン氏を「同盟の力強い支持者だと私は知っている」と持ち上げた。
欧州は、トランプ氏が離脱した地球温暖化対策をめぐる「パリ協定」やイラン核合意、脱退を表明した世界保健機関(WHO)など多国間体制への米国復帰も望む。フォンデアライエン欧州委員長は、米欧は「ルールに基づく自由主義の国際秩序を支えてきた」と強調。新型コロナウイルスや気候変動対策などでの連携に意欲を見せた。
貿易分野でもトランプ政権下で激化した米欧の摩擦解消が期待される。しかし、バイデン氏が国内経済回復を優先し保護主義色を強めると警戒する見方も出ている。