【ワシントン時事】米大統領選は6日、遅れていた激戦州の開票が進み、民主党のバイデン前副大統領(77)が東部ペンシルベニア、南部ジョージアの得票数で共和党のトランプ大統領(74)を上回った。バイデン氏は雌雄を決するペンシルベニアでトランプ氏との差を広げており、当選に必要な選挙人の過半数(270人)確保が目前となっている。

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 バイデン氏は6日夜、国民向けに演説し、最終的な勝利宣言は控えつつ「明白な過半数でこの勝負に勝つだろう」と強い自信を示した。

 一方、トランプ氏は両州での劣勢を受け声明を発表。「国家のために戦いを諦めない」と述べ、法廷闘争を継続する方針を強調した。

 バイデン氏が2州でトランプ氏を捉えたのは、民主党支持票が多い都市部の郵便票の集計が進んだためだ。ペンシルベニアでのバイデン氏とトランプ氏の得票率差は開票率96%時点で0.5ポイント。同州の法律は得票率差0.5ポイント以内なら再集計を義務付けているが、バイデン氏は再集計を回避できる可能性が出てきた。

 ジョージアでは開票率99%段階でバイデン氏の得票が約4400票多く、得票率差は0.1ポイントとなっている。ジョージアの再集計請求の条件も得票率差0.5ポイント以内で、トランプ陣営は再集計を申し立てる考えという。

 バイデン氏の獲得選挙人は253人。ペンシルベニア(選挙人20人)で勝利するか、ジョージア(同16人)、西部アリゾナ(同11人)、同ネバダ(同6人)のうち2州を制すれば270人に届く。

 トランプ氏の獲得選挙人は214人。アリゾナ、ネバダの開票率は90%を超え、バイデン氏がそれぞれ0.9ポイント、1.8ポイントリードしている。