[ロンドン 11日 ロイター] – ジョンソン英首相を長年支えてきた広報責任者のリー・ケイン氏が11日に辞任した。英国が欧州連合(EU)からの離脱移行期間終了に備える中、政権の中枢で緊張が生じていることを示唆する格好となった。

ケイン氏はジョンソン氏を外相時代(2016─18年)から支えてきたほか、首相の上級顧問を務めるドミニク・カミングス氏にも近い。ケイン、カミングス両氏はEU離脱の是非を問う国民投票の際に離脱派の運動をともに推進した。

だが関係筋によると、新型コロナウイルス危機下での政府の広報戦略を巡り、スピード感がなく混乱を招くとの批判が与党議員から上がって以来、首相官邸内で緊張が生じていたという。

一部の評論家は、首相官邸が10月に行った再編の結果、新たに行われる毎日のテレビ会見の責任者にジャーナリスト出身のアレグラ・ストラットン氏が起用されたことを受け、ケイン氏は辞任を余儀なくされたとの見方を示している。

EU離脱から内政までジョンソン氏の政策の推進役とみられているカミングス氏も、これに反発して辞任する可能性があるという。ただBBCは、カミングス氏が当面は上級顧問にとどまる公算が大きいと報じた。