[モスクワ/香港/北京 11日 ロイター] – ロシア直接投資基金(RDIF)は11日、国立ガマレヤ研究所が開発している新型コロナウイルス感染症ワクチン「スプートニクV」について、第3相治験の中間結果で感染を防ぐ有効性が92%だったと発表した。
RDIFのキリル・ドミトリエフ総裁は非常に有効なワクチンであることをデータが示していると述べた。
治験は2回の接種を受けた1万6000人の被験者のデータに基づいており、20人の陽性が確認された時点で何人がワクチンもしくはプラセボ(偽薬)を投与されたか調べた。
一方、米ファイザーは94人が陽性となった時点で予防効果が90%になったとしており、RDIFの治験はこの数を大きく下回っている。ファイザーは陽性被験者が164人に達するまで治験を続けるとしている。
RDIFは発表文でワクチンの治験はさらに6カ月継続するとし、結果を査読(ピアレビュー)後に主要な国際学術誌に公表すると説明した。
国立ガマレヤ研究所のアレクサンドル・ギンツブルク所長は、中間結果でワクチンの有効性が確認されたため、今後数週間内に集団予防接種が開始されると表明。年末までに最低150万人がワクチン接種を受ける見通しとした。これまでに4万─4万5000人程度が接種済みとも述べた。
こうした中、中国国営の中国医薬集団総公司(シノファーム)1099.HKも同日、大規模な後期治験を行っているコロナワクチンのデータが「予想以上に良い」と明らかにした。
傘下の中国生物技術(CNBG)[CHNAPF.UL]は、ワクチン候補2種類の第3相治験をアラブ首長国連邦(UAE)やバーレーン、エジプトなどで約5万人規模で行っており、間もなく終了する見込みだという。