【ソウル、東京聯合ニュース】世界の海の名称の指針を定める国際水路機関(IHO)は16日にテレビ会議形式で総会を開き、世界各国が海図を作成する際の指針とするIHO刊行の図誌「大洋と海の境界」の改定版を導入することにし、出席国は各海域を名称ではなく数字で表記することに同意した。韓国外交部が17日、伝えた。日本は今後、IHOの表記を根拠に東海を「日本海」だと主張するのは難しくなりそうだ。

 「大洋と海の境界」は1929年の初版から53年に刊行された現行の第3版まで、東海を「日本海」と単独表記している。これに対し韓国は97年から東海と日本海を併記するよう主張し続け、2017年4月のIHO総会を機に韓国・北朝鮮と日本は非公式協議を始めた。だが合意には至らず、IHOは数字表記を提案することで折り合いをつけようとした。

 また、IHOは現行版について、出版物でだけ公開する方針を固めたようだ。外交部関係者は「IHO事務局長の報告書による提案で、アナログからデジタル時代への歴史的な変遷を示すため、現行版は既存の出版物のみで公開する点を明確にした。今後、現行版は製作されない」と伝えた。

 IHOは総会の結果を加盟国に回覧し、12月1日付で正式に発表する予定。

 一方、読売新聞は、「日本海」と単独表記する指針の継続が総会で暫定承認されたと報じた。名称でなく数字で表記するデジタル版海図を新たに作成する方針が暫定承認されたとも伝えたが、あくまで新たなデジタル版よりもアナログの現行版に重きを置く論調だった。

 これに関し韓国外交部の当局者は「日本側の『日本海単独表記が維持される』との報道は事実と異なる」と反発した。