[エルサレム 23日 ロイター] – イスラエル当局者は23日、ネタニヤフ首相がサウジアラビアを訪問し、ムハンマド・ビン・サルマン皇太子と会談したと明らかにした。

イスラエルメディアは先に、ネタニヤフ首相が22日、秘密裏に紅海に面したサウジ都市のネオムを訪れ、ムハンマド皇太子とポンペオ米国務長官と協議したと伝えていた。

パレスチナを支援するサウジは、これまでイスラエルとの公式な接触を避けており、今回もファイサル外相が会談の事実を否定。ネタニヤフ氏もサウジ訪問についての質問に、「私は何年もそうしたことにコメントしたことはないし、今回もそのつもりはない」と答えた。

また、ポンペオ長官のスポークスマンもコメントを拒否した。

一方、イスラエルの安全保障会議メンバーであるヨアブ・ギャラント氏はラジオ局で、会談が行われたことを認めた。

ネタニヤフ氏はこの日の演説で、トランプ米大統領が離脱したイランとの核合意に米国は復帰すべきではないと表明。これは、米大統領選で当選を確実にした民主党候補のバイデン前副大統領へのメッセージとみられる。

トランプ氏の任期終了が迫る中、ポンペオ長官はイスラエルとの国交正常化に踏み切ったアラブ首長国連邦(UAE)、バーレーン、スーダンに続くようサウジを説得しようとしている。

イスラエルとスーダンは、来年1月に米大統領に就任するバイデン氏が中東政策を見直す可能性を巡り懸念を共有している可能性がある。バイデン氏は、イランが合意を厳格に守るなら核合意に復帰し、同盟国と共に合意を強化すると述べている。