[ソウル 26日 ロイター] – 韓国の康京和外相は26日、訪韓している中国の王毅国務委員兼外相と会談した。両外相は二国間関係の強化や、北朝鮮の核問題を巡る協議の停滞、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)といった問題への対応で、連携していく方針を表明した。
中国の王外相は今回の訪韓について、域内の平和・安定の維持やグローバル・ガバナンスの推進で中韓が「戦略的パートナー」として協力する中、二国間関係の重要性を示すものだと強調。
康外相との会談の冒頭、通訳を介して「新型コロナ危機が両国の市民を打ち負かすことはできない。この二国間関係はコロナの厳しい試練を克服し、力強さとこれまで以上の勢いを示している」と述べた。
康外相は、王外相の韓国訪問に謝意を示し、2022年に両国の外交関係樹立30周年を迎えるのを前に、北朝鮮や新型コロナ、経済問題を巡り、協力関係強化に向けた意見交換を行うことに期待を表明した。
両国は米国で政権移行が始まる中、習近平・中国国家主席の訪韓の可能性を模索している。習主席の訪韓は当初、今年初めに予定されていたが、新型コロナの感染拡大で延期となった。
韓国外務省の報道官は外相会談について、習主席の訪韓や相互利益の問題などについて「広範で掘り下げた」協議が行われたと述べた。
王外相は、記者に習主席の年内の訪韓の可能性について尋ねられると、新型コロナ感染症を含め、両国が実現に向け「状況」の調整に取り組んでいると述べた。
韓国政府筋によると両外相は米国のバイデン新政権についても意見交換し、王氏は米国の北朝鮮政策に「期待」を表明した。
王氏は2017年に韓国に配備された米軍の地上配備型ミサイル迎撃システム(THAAD)について改めて抗議した。康氏は王氏に文化交流の制限解除を求めたという。
こうした中、中国外務省は声明を発表し、会談で王氏が朝鮮半島問題を巡り、2カ国が対話を通じて解決する努力を根気強く続ける必要があると述べたことを明らかにした。
それによると王氏は、双方が朝鮮半島の非核化の目標を堅持すべきだと指摘。また、中国はコロナ感染の予防と制御に向け、韓国との協力関係を深める用意があると表明した。