[ワシントン/ウィルミントン(デラウェア州) 30日 ロイター] – 米大統領選で勝利を確実にした民主党のバイデン前副大統領は、次期財務長官にジャネット・イエレン連邦準備理事会(FRB)前議長(74)を起用する。バイデン氏の政権移行チームが30日、声明で明らかにした。指名が承認されれば、初の女性財務長官となる。イエレン氏はFRB議長としても女性初だった。
イエレン氏はツイッターへの投稿で「回復に向け、アメリカンドリームを取り戻す必要がある」とし、「全ての人の夢を再構築できるよう、財務長官として毎日尽力する」と言明した。
財務次官にはウォーリー・アディエモ氏を指名。黒人男性で、オバマ政権時代に大統領副補佐官(国家安全保障問題担当)を務めた。
さらに、大統領経済諮問委員会(CEA)委員長にプリンストン大学の労働経済学専門エコノミスト、セシリア・ラウズ氏を起用するほか、行政管理予算局(OMB)長官には、シンクタンク「アメリカ進歩センター」の所長を務めるニーラ・タンデン氏を充てる。いずれも女性で、承認されればタンデン氏は非白人の女性として初のOMB長官となる。
バイデン氏は声明で「米国を反映したチーム」とし、「彼らは全ての米国人のために政権発足1日目から始動する用意がある」と述べた。
国際通貨基金(IMF)のゲオルギエワ専務理事は、イエレン氏の指名を歓迎するとし、「数々の試練をくぐり抜け、強力で非常に有能な女性が財務省に迎えられることは素晴らしい」と評した。
上院財政委員会の民主党トップ、ロン・ワイデン議員は、来年1月20日の新政権発足前にイエレン氏の指名公聴会を開くべきとの考えを示した。