[ニューヨーク 30日 ロイター] – ニューヨーク外為市場で、ドルが主要通貨に対して上昇した。米株価が反落し、米経済指標が軟調となる中、追加刺激策導入の兆しが見え ないことも相まってリスク選好が後退し、安全通貨としてのドルに買い が入った。ただ月間ベースでは2.3%下落し、7月以来の大幅な下落 となった。
暗号資産(仮想通貨)のビットコインは過去最高値を更新。終盤の取引では5.7%高の1万9235.96ドル。
この日発表の米経済指標では、全米リアルター協会(NAR)の1 0月の中古住宅販売仮契約指数が前月比1.1%低下の128.9と、 2カ月連続で低下。金融情報会社MNIの11月の米シカゴ景気指数は 58.2と前月の61.1から低下し、市場予想の59.0も下回った 。新規受注が新型コロナウイルス禍からの回復が始まった5月以降で初 めて低下した。
OANDA(ニューヨーク)のシニア市場アナリスト、エドワード ・モヤ氏は「米経済指標は一段と軟調になっている」とし、こうした中 でも「議会で追加経済刺激策が近く策定される兆しは全く出ていない」 と述べた。
終盤の取引で主要6通貨に対するドル指数は 0.2%高の 91.89。
モヤ氏は「ドルの上昇は一時的なものにすぎず、長期的には明らか にドル安傾向にある」と指摘。実際、ドル指数は過去7カ月のうち5カ 月で下落している。
ユーロは対ドルで0.2%安の1.1942ドル。一時は1.20 ドルと、3カ月ぶり高値を付けた。
市場は今週のECB理事会に注目。バノックバーン・グローバル・ フォレックスのチーフ市場ストラテジスト、マーク・チャンドラー氏は 「ECBは来週の理事会でハト派姿勢を示すとみられており、理事会前に高値を追うことは控えている」と述べた。
ユーロは月次ベースで対ドルで2.6%上昇。7月以来の大きな上 昇となった。
ドルは対円で0.2%高の104.33円。ドルは中国人民元に対しオフショア市場で横ばいから小幅高。中国国家統計局発表の11月の製造業購買担当者景気指数(PM I)は52.1と、10月の51.4から上昇し、2017年9月以来 約3年ぶりの高水準となった。
オフショア人民元の月次ベースの上昇は6年ぶりの長さを記録した 。
ドル/円
NY午後3時 104.32/104.35
始値 104.00
高値 104.38
安値 104.02
ユーロ/ドル
NY午後3時 1.1945/1.1949
始値 1.1986
高値 1.2003
安値 1.1931