「いまだに1000万人が失職していることを忘れてはならない」-。パウエルFRB議長は下院金融委員会の公聴会で、コロナ危機の中で苦境に陥っている人たちの存在にあらためて言及しました。ワクチンが本格普及する前に気温は一段と低下、感染拡大に歯止めがかからなければ人員採用もままなりません。以下は一日を始めるにあたって押さえておきたい5本のニュース。
失業者や中小支援を
パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長は、向こう数カ月間に新型コロナウイルス危機が深まると指摘し、失業者や中小企業、州・自治体の支援に重点を置いた追加景気対策法案の承認を議会が急ぐべきだと訴えた。下院金融委員会の公聴会で労働市場について「人々の仕事への復帰ペースは速く、それは非常に歓迎すべきことだが、パンデミック(感染の世界的大流行)の影響でいまだに1000万人が失職していることを忘れてはならない」と述べ、対応を促した。
9080億ドル案への支持
米民主党のペロシ下院議長とシューマー上院院内総務は、共和党およびホワイトハウスと景気刺激策を巡る新たな交渉のたたき台として、超党派議員グループによる9080億ドル(約95兆円)の案に支持を表明した。上下両院の超党派議員が作成した案への支持は、民主党が固執してきた2兆4000億ドル規模から譲歩したことを初めて公に示すものだ。数カ月に及ぶ協議の膠着(こうちゃく)状態が打開し、年内に法案通過が実現する可能性が出てきた。
「緩慢ないし緩やか」
米連邦準備制度理事会(FRB)が公表した地区連銀経済報告(ベージュブック)によれば、経済は大半の地域で緩やかな回復を続けたものの、新型コロナの感染が特に拡大している地域では減速の兆候が示された。ベージュブックは「経済の拡大ペースはほとんどの地区で緩慢ないし緩やかと表現された」と記述。11月20日までに12地区連銀が集めた情報を基にまとめられた。
民間雇用の伸び鈍化
ADPリサーチ・インスティテュートによると、11月の米民間雇用者数は前月比30万7000人増と市場予想(44万人増)を下回り、7月以来の低い伸びにとどまった。新型コロナ感染が再び急拡大し、新たな制限措置が一部で講じられる中、雇用拡大ペースの減速が示唆された。規模別では、従業員数50-499人の中規模企業で13万9000人増。大企業が5万8000人、小規模企業で11万人それぞれ増えた。
複数の国が前進と認識
石油輸出国機構(OPEC)と非OPEC主要産油国で構成する「OPECプラス」は、減産を巡る合意に向けて前進したと、複数の構成国代表が明らかにした。OPECプラスでは現行の協調減産を継続するか計画通りに減産を縮小するかを巡り、ここ数日間に一部加盟国の間で意見が対立する場面もあった。前進の詳細は明らかではない。最終的な合意につながると判断するのは時期尚早だと、代表らは語った。
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