[ニューヨーク 2日 ロイター] – ニューヨーク外為市場で、米追加経済対策への期待から安全通貨としてのドルが売られ、ドル指数が一時2年半ぶりの安値を更新した。ただ、その後は議会の交渉が再び難航したことで、下げ幅を縮小した。

米ファイザーと独ビオンテックが共同開発した新型コロナウイルスワクチンの緊急使用を英政府が承認したこともリスク選好度の上昇につながった。

新型コロナウイルス追加対策を巡り、議会の超党派グループは前日、9080億ドル規模のコロナ救済法案を発表したが、共和党のマコネル上院院内総務がこれを拒否。ムニューシン財務長官によると、トランプ大統領はマコネル氏の新型コロナ経済対策法案に署名する見通し。

クラリティFX(サンフランシスコ)のエクゼクティブ・ディレクター、アモ・サホタ氏は「超党派の提案は追加策を巡る将来的な協議につながると期待されるが、合意にはまだほど遠い」と述べた。

主要6通貨に対するドル指数は一時91.094と、2018年4月以来の低水準を付けた。終盤の取引では0.1%安の91.115。

この日発表の米経済指標では、11月のADP全米雇用報告で民間部門雇用者数の伸びが30万7000人と、ロイターがまとめたエコノミスト予想の41万人を下回った。

ユーロは対ドルで0.2%高の1.2098ドル。一時は1.2108ドルと、18年4月以来の高値を付けた。

市場では欧州中央銀行(ECB)の来週の理事会が注目されており、アナリストはECBはユーロ高抑制に向けた措置を打ち出す可能性があるとの見方を示している。

ドルは対円で0.2%高の104.52円。英ポンドは対ドルで0.5%安の1.3361ドル。

豪ドルは対米ドルで0.4%高の0.7402米ドル。オーストラリア統計局が発表した第3・四半期の実質国内総生産(GDP)は前期比3.3%増と、ロイターがまとめた市場予想の2.6%増を上回った。

暗号資産(仮想通貨)のビットコインは1.6%高の1万9061ドル。

ドル/円 
 NY午後4時 104.49/104.52
     始値 104.72
     高値 104.74
     安値 104.42

ユーロ/ドル 
 NY午後4時 1.2100/1.2104
    始値 1.2051
    高値 1.2117
    安値 1.2041