[ロンドン 3日 ロイター] – 米国立アレルギー感染症研究所のファウチ所長は3日、英規制当局が米ファイザーの新型コロナウイルスワクチンをスピード承認したことに批判的な見方を示した。

ファウチ氏は英当局が「非常に綿密な審査を怠り、ファイザーから入手したデータをそれで良しとし、承認した」と批判した。

その上で、米食品医薬品局(FDA)は規制上の「金字塔」で、非常に慎重にワクチンデータを精査していると強調。「1週間もしくは1週間半ほどの時間を稼ぐために、ここで性急かつ不適切にハードルを飛び越えれば、規制上の手続きに対する信認は失墜するだろう」と述べた。

英政府は前日、ファイザーが独ビオンテックと共同開発した新型コロナワクチンの緊急使用を承認。来週から接種が始まる見通し。規制当局の英国医薬品庁(MHRA)のレイン長官は「いかなる手続きも省いていない」と強調した。

MHRAはファウチ氏の批判を受け声明を発表し、「完璧な審査プロセスを怠ることなく、最短期間でデータを綿密に精査した」と反論した。