[ジュネーブ 4日 ロイター] – 世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長は4日、新型コロナウイルスワクチンを巡る進展はポジティブだが、パンデミック(世界的大流行)が終息するとの見方の広がりを懸念していると述べた。
「ワクチンの進展はわれわれ全員を活気づけ、トンネルの先に光が見え始めた。しかし、WHOは新型コロナのパンデミックが終わったとの認識が広まっていることを懸念している」と指摘。パンデミックが終息するまでにはまだ長い道のりがあり、市民や政府による判断が短期的にはその道筋を決定しパンデミックが最終的に終息する時期を決めるとした。
また、WHOで緊急事態対応を統括するマイク・ライアン氏は同日、新型コロナ対応においてワクチンは重要な役割を担っているが、それだけではパンデミックを終息させることはできないとした。
WHOの主任科学者ソミヤ・スワミナサン氏は、新型コロナワクチンの平等な分配を目指す「COVAXファシリティー」によって、2021年第1・四半期に5億回分のワクチンが配布されるだろうと指摘。当初の計画では医療従事者や65歳以上の高齢者などリスクの高い20%の人々にワクチンを接種するという。
スワミナサン氏は「21年末までに少なくとも20億回分のワクチンを確保することが目標だ。これにより、COVAX参加国の人口の20%の接種が可能」とし、死亡率の低下と医療システムの負担軽減により「パンデミックの急拡大期を終わらせる」と語った。