[ワシントン 4日 ロイター] – 米民主党のペロシ下院議長は4日、新型コロナウイルス経済対策法案を巡る協議に弾みがついていると述べた。上下両院の民主・共和両党の議員らは来週の議会通過を目指し、9080億ドル規模の超党派案の最終調整を進めている。
ペロシ氏は記者団に対し、協議には「勢いがある」とし、「われわれの対話のトーンは、仕事を成し遂げる決意を示している」と語った。
超党派グループの共同議長を務めるリード下院議員(共和)は「週明け7日をめどに作業を進めている」と述べた。
この日発表された11月の米雇用統計は、非農業部門雇用者数が前月比24万5000人増と、前月から伸びが大幅に鈍化。新型コロナ感染が再拡大し、政府の財政支援に欠く中、雇用者の伸びは5カ月連続で減速し、5月以降で最小となった。
米商工会議所は「米国民約1200万人が近く、政府の失業支援を失う」とし、議会に対応を促した。
バイデン次期大統領も「状況は迅速な行動を要する」とし、コロナ経済対策を巡り合意するようトランプ政権と議会に求めた。
ペロシ氏と共和党のマコネル上院院内総務は、コロナ経済対策法案を、1兆4000億ドル規模の歳出法案(予算案)に盛り込みたい考え。連邦政府機関閉鎖の回避に向け、議会は12月11日までに歳出法案を可決する必要がある。
しかし、マコネル氏はこれまでに5000億ドル程度の対策案を推しており、超党派案を支持するかは不透明だ。一方、民主党指導部は2兆2000億ドル規模の対策を提案していた。
米国家経済会議(NEC)のカドロー委員長は記者団に対し、超党派案が大きすぎるかどうかについてコメントしなかったものの、トランプ大統領は「的を絞った」コロナ救済法案を模索していると語った。