【ワシントン時事】バイデン次期米大統領は4日、新型コロナウイルスの感染再拡大を受け、米国内の雇用環境が厳しさを増しているとの認識を示した。同日発表された11月の雇用統計が「景気回復の失速を示している」と危機感を示し、議会与野党に経済対策の早期実現を促した。
バイデン氏は、長期失業者が数百万人に上る現状は「悲惨」と指摘し、失業給付期間の延長といった特別措置が年内に失効する事態を憂慮。議会がこうした問題に対処する法案の成立に向け直ちに行動しなければ、「将来に希望はない」と警告した。
米労働省が4日発表した11月の失業率は6.7%と、前月から0.2ポイントの小幅改善。景気動向を敏感に反映する非農業部門の就業者数は24万5000人増にとどまり、雇用回復ペースの鈍化が顕著となった。
バイデン氏は、議会の超党派議員による総額9080億ドル(約95兆円)の経済対策法案に支持を表明し、早期成立へ与野党に歩み寄りを促した。ただ支援規模は「不十分だ」とも明言。来年1月の政権発足後に改めて大型経済対策を実現させると強調した。