[ロンドン/ダブリン 8日 ロイター] – 英国と欧州連合(EU)は離脱移行期間終了が約3週間後に迫る中、自由貿易協定(FTA)の合意に向け交渉を続けているが、8日も打開は見られず、英国のジョンソン首相は双方が「合意なき」離脱を受け入れざるを得ないとの見方を示した。
EUバルニエ首席交渉官もEU閣僚会合で、FTAで合意できないまま年末に移行期間が終了する公算が高まっていると警告。ジョンソン首相は9日にブリュッセルを訪問し、欧州委員会のフォンデアライエン委員長と直接会って、交渉を続ける。
ただこの日、英政府が、アイルランドと英領北アイルランドの国境管理についてEUと合意したと発表。これを受けEUとの離脱協定違反を可能にする法案の条項を撤回すると明らかにした。
ゴーブ内閣府担当相(国務相)は「特にアイルランドと北アイルランドに関する取り決めなど、全ての問題について原則的に合意した」と表明。アイルランド政府も合意に賛同を示した。
EUは、英国が離脱協定に違反すればより広範な通商協定は不可能と警告していたため、この合意で英EU間の論争の主要な部分が解決することになる。
欧州委員会のセフコビッチ副委員長は、今回の合意は通商交渉とは別のもので、離脱協定が来年1月1日の時点で完全に運用されることを保証するものだと述べた。