【ブリュッセル時事】欧州連合(EU)のフォンデアライエン欧州委員長と英国のジョンソン首相は13日、電話会談し、難航する自由貿易協定(FTA)締結交渉を続行することで一致した。首席交渉官らに、さらに協議を行い「合意が可能かどうか」検討するよう指示。残る主要懸案の決着を図る。懸念された決裂はひとまず回避した。

 両首脳は13日を交渉続行可否を判断する期限と位置付けていた。共同声明では「期限切れを繰り返しているが、現時点ではさらに努力することが責任だ」と表明。新たな期限は示さなかった。

 しかし、英国が名実ともにEUから離脱する年末の「移行期間」終了まで時間は少ない。それまでに妥結し、EU加盟国の承認も得た上で、FTA発効に必要な双方の議会承認を果たせるかはまだ不透明だ。

 交渉では、英EU企業の公平な競争を維持する枠組みや、英海域での漁業権などの懸案で行き詰まってきた。共同声明では、進展への言及はなく、ジョンソン氏は会談後、「重要な点でまだ非常にかけ離れている」と発言したが、英メディア各社によると、会談直前まで行われた首席交渉官間の協議では一定の歩み寄りがあったもようだ。