探査機「はやぶさ2」が地球に持ち帰ったカプセルに入っていた小惑星リュウグウの試料は、目標の0・1グラムをはるかに超える量だったとみられると、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が15日、発表した。

 JAXAの宇宙科学研究所(相模原市)で同日、1回目の着地で地表から採取した試料を収めた容器を開封し、大量の試料が入っていることを確認した。

 オンラインで会見した沢田弘崇主任研究開発員は「大きさ数ミリの黒い粒がごろごろ、どっさり入っていた。目標量を上回るのは確実だ」と述べた。

 科学に関する責任者を務める渡辺誠一郎名古屋大教授は「大きな粒子が取れたことで、成分だけでなく構造を調べることも可能になる」と、今後の分析に期待を膨らませた。

 リュウグウの試料は14日、容器のカバーの底から砂状のものが確認されていたが、分量は明らかにしていなかった。2回目の着地で地下から採取した試料が入っているとみられる容器は年明けに開封する予定。その後は顕微鏡で形や大きさなどを観察し、成分を調べてから大学などに提供、さらに詳しく分析を行う。

 またJAXAは同日、カプセルから採取したガスがリュウグウ由来と判断したことも正式に発表した。

 はやぶさ2は昨年、リュウグウの地表と地下から試料採取を行った。太陽系の成り立ちや地球の生命の起源に迫る研究成果が期待されている。