ボラティリティーへの投資に特化したヘッジファンドが、ビットコイン最大の投資家の一つとして浮上した。目立たないように6億ドル(約621億円)相当を超す暗号資産(仮想通貨)を買い集め、ブレバン・ハワード・アセット・マネジメントの共同創業者アラン・ハワード氏とも力を合わせている。
ワン・リバー・アセット・マネジメントのエリック・ピータース最高経営責任者(CEO)は、機関投資家の高まる関心を捉えるために新しい会社を設立したとインタビューで明らかにした。この新会社ワン・リバー・デジタル・アセット・マネジメントは当初の購入に加え、ビットコインとイーサの保有額を来年初めにも約10億ドルへと増やすことを約束していると、同氏は述べた。
暗号資産の価格急騰と前例のない金融政策で、かつては個人投資家が中心だった分野に大口の資金がますます引き寄せられている。ビットコインは16日に2万ドルを超えて過去高値を更新。年初からはほぼ3倍となった。
ピータース氏は「この新たな資産クラスには、一世代に一度の資産配分が起きるだろう。資金流入はまだ始まったばかりだ」と語った。
同氏に対しては、ハワード氏がさまざまな形で後押ししている。ワン・リバー・デジタルのファンドに投資しているほか、同事業の株式も保有する。ハワード氏が率いるエルウッド・アセット・マネジメントは、ワン・リバー・デジタルにトレーディングサービスやマーケット分析、技術的なサポートを提供している。
ハワード氏の広報担当者はコメントを控えた。これとは別にブレバン・ハワードは10月、ワン・リバー・アセット・マネジメントの株式25%を取得した。
ピータース氏はビットコインやイーサの価格急騰を招かないよう、できる限り目立たないよう慎重に購入を進めたという。11月にビットコインが1万6000ドルに達する前に、買い入れは済ませたとしている。
原題:Bitcoin Whale Surfaces With $1 Billion and Alan Howard’s Backing(抜粋)