▽日鉄のUSスチール買収、トランプ氏が中止命令を修正 取引に条件<日経web版>2025年6月14日 7:47

【ワシントン=八十島綾平】トランプ米大統領は13日、日本製鉄の米鉄鋼大手USスチール買収計画を巡り、バイデン前大統領が出した中止命令の内容を修正する大統領令に署名した。全面的に買収を阻止するとしていた内容を変え、取引を進めるためには米政府が提示した内容で国家安全保障協定を結ぶことが条件になるとした。
新たな大統領令のなかで、トランプ氏は米政府が13日、日鉄とUSスチールに対し国家安全保障協定の草案を提示したと記した。内容は明らかになっていない。
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▽米、日本製鉄に安保協定提示 締結ならUSスチール買収計画承認も 「脅威の軽減可能」<産経ニュース>2025/6/14 09:07

トランプ米政権は13日、日本製鉄の米鉄鋼大手USスチール買収計画を巡り、両社に国家安全保障協定の草案を提示したと発表した。トランプ大統領は同日署名した大統領令で、協定に盛り込んだとみられる条件が守られれば「安全保障上の脅威を軽減することは可能だ」と説明。米政府と協定を締結すれば、買収計画を承認する可能性を示唆した。
大統領令では、草案の具体的な内容は明らかにしなかった。
日鉄は2023年12月、USスチールを完全子会社化する計画を発表し、24年4月にUSスチールの臨時株主総会で承認された。一方、トランプ氏やバイデン前大統領らは選挙戦を見据え、いずれも買収反対をアピールした。
日鉄は米側の理解を求めるため、USスチールの取締役の過半数を米国籍とし、工場の休止や閉鎖はしないと明示していたが、前政権は25年1月、安全保障上の懸念を理由に買収禁止を命じた。(共同)
▽日鉄、米政府と国家安全保障協定を締結-USスチール買収成立予定と声明<bloomberg日本語版>2025年6月14日 7:53 JST
Josh Wingrove、Joe Deaux、Jennifer A Dlouhy
- トランプ政権、バイデン前大統領による買収中止を修正-大統領令
- 約1兆6000億円の投資や米政府への黄金株発行が買収の条件に
日本製鉄とUSスチールは、米国政府との間で国家安全保障協定を結んだと、14日の声明で明らかにした。また両社はトランプ大統領が買収計画を承認したため、今後速やかに買収が成立する予定だとした。
発表資料によると、同協定では2028年までに約110億ドル(約1兆6000億円)を投資することや米国政府への黄金株発行などが定められているという。日鉄とUSスチールは、買収実行に必要な全ての規制当局からの承認を得たとしている。

ホワイトハウスは13日(米国時間)、日鉄によるUSスチール買収計画について大統領令を発表し、承認に正式に道を開いた。長く続いてきたUSスチール買収を巡る問題が新たな節目を迎えた。大統領令によると、トランプ政権はバイデン前大統領による買収中止措置を修正し、両社に対し国家安全保障協定を提示した。
この大統領令は、両社が米政府の提示する条件、いわゆる「緩和合意」に従う限り買収を認める内容。この種の合意は、対米外国投資委員会(CFIUS)による審査で一般的に見られる。
日本政府も声明を発表。武藤容治経済産業相は、日米鉄鋼産業の新たなイノベーションを生み出す力や、日米間の緊密なパートナーシップの強化につながると考えており、米政府の決定を歓迎するとコメントした。
トランプ大統領は今週、日鉄とUSスチールの取引を巡り、米政府がUSスチールの「黄金株」を保持すると述べていた。だがそれが具体的に何を意味するかは明らかになっていなかった。
