厚生労働省は、富士フイルムホールディングス(HD)傘下の富士フイルム富山化学が新型コロナウイルス感染症の治療薬として申請していた抗インフルエンザウイルス薬「アビガン」の審査を巡り、21日に開催した審議会で判断を見送り、審議を継続することを決定したと発表した。

  同省によると、現時点で得られたデータからは有効性を明確に判断することは困難だとし、現在実施中の臨床試験など企業から追加のデータの提出を待ってから再度審議するとしている。  

  富士フイルム富山化学は、新型コロナの患者を対象としたアビガンの国内臨床第3相試験を3月に開始。症状の改善からウイルスの陰性化までの時間を評価項目とした同試験で、アビガンの投与で早期に症状を改善することが確認できたことから、10月16日に製造販売の承認申請を提出していた。