【ワシントン時事】トランプ米大統領が戒厳令を敷いて大統領選激戦州に軍隊を展開し、選挙をやり直す―。ニューヨーク・タイムズ紙やCNNは、トランプ氏が出席した18日の会議でこのような構想について話し合われたと伝えた。バイデン次期大統領の就任まで20日で1カ月となり、敗北を覆そうとするトランプ氏側の動きがエスカレートしている。

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 戒厳令については、トランプ氏が恩赦したフリン元大統領補佐官が17日に米メディアで言及。フリン氏は「トランプ氏は軍の能力を使い、激戦州で選挙をやり直させることだってできる」と語った。報道によると、トランプ氏は18日のホワイトハウスの会議でこの考えに関心を示し、フリン氏に説明を求めたという。

 大統領選を「盗まれた」と主張するトランプ氏はこの席で、選挙不正を捜査する特別検察官を任命する考えにも言及。大統領選で使われた「ドミニオン社」製の集計機械が不正の背後にあったとする陰謀論を唱える弁護士シドニー・パウエル氏を充てる案を推した。

 18日の会議では、戒厳令について、メドウズ大統領首席補佐官ら一部の側近が「憲法上の権限がない」と強く反対し、怒号が飛び交ったという。

 トランプ氏は20日、戒厳令の報道について、ツイッターで「フェイクニュースだ」と言及した。