[モスクワ 23日 ロイター] – ロシア議会下院は23日、米国の大手ソーシャルメディアがロシアのメディアを「差別」した場合にサービスへのアクセスを制限したり、禁止されたコンテンツを削除しないソーシャルメディアに多額の罰金を課したりすることを認める法案を可決した。
下院で承認された2つの法案の起草者は、グーグル傘下の動画投稿サイト「ユーチューブ」と交流サイト最大手のフェイスブックによる違反は、法案の必要性を示したと述べた。法案はロシアのインターネットの「主権」を拡大する試みの一環で、ロシアが中国流の統制に移行していくとの不安をあおっている。
最初の法案は、ロシアが特定のホームページを制限または完全に禁止することを可能にする。ロシアの州メディアが、ツイッターとフェイスブック、ユーチューブから偏見を持った扱いを受けていると苦情を述べたことを受けて作成された。
ツイッターは8月、ロシアの複数のメディアや、その幹部、主要な政府当局者のアカウントに「国営メディア」という表示を始めた。ロシアはこうした動きを非難していた。
2つ目の法案は、禁止されているコンテンツを繰り返し削除しなかった場合にロシアがインターネットプロバイダーやウェブサイトに対して、前年のロシアベースの売上高の10%から20%の罰金を科すことができるようになる。
法案は、ウェブサイトが過激主義な行動や娯楽用の薬物使用、児童の性的虐待を呼び掛けるコンテンツの削除をできなかった場合、初回は最高800万ルーブル(10万6130ドル)の罰金を設定している。
法案起草者によると、ユーチューブとツイッター、フェイスブック、インスタグラムは、ロシアの法律の下で禁止されたコンテンツの数百のウェブページを削除しなかった。
2法案は、上院での承認とプーチン大統領の署名を経て法律化される見込みだ。
ユーチューブのようなサイトは、ロシアの11の時間帯にわたり放送される国営テレビから事実上禁止されている政府に批判的な勢力にとって重要なメディア。
グーグルとツイッター、フェイスブックからのコメントは得られていない。