【ソウル=建石剛】韓国人元慰安婦12人が日本政府を相手取り、1人当たり1億ウォン(約950万円)の賠償を求めた訴訟で、ソウル中央地裁は8日、日本政府に1人当たり1億ウォンの賠償を命じる判決を言い渡した。日韓の戦後補償を巡り、元徴用工(旧朝鮮半島出身労働者)訴訟問題に続いて、1965年の日韓請求権・経済協力協定で「完全かつ最終的に解決済み」とする日本の立場と反する判断となった。
元慰安婦が日本政府を相手取った韓国内の訴訟で初の判決だ。日本政府は、主権国家が他国の裁判権に服さないという国際法上の「主権免除」の原則から裁判に応じていなかったが、判決は主権免除を認めなかった。日韓関係の更なる悪化は避けられない。