ホワイトハウスでにこやかに出迎えるオバマ夫妻。やや緊張した面持ちながら高揚感を隠せず、力強くオバマ氏と握手をするトランプ氏-。4年前の政権引き継ぎ時の映像を、複数の米テレビ局が朝から流していました。そのトランプ氏はバイデン氏の就任式には出席せず、20日に退きます。トランプ政権の終わりまであと何時間何分というカウントダウン時計を表示したテレビ局もあります。以下は一日を始めるにあたって押さえておきたい5本のニュース。
早くも共和党の壁
次期米財務長官に指名されたジャネット・イエレン氏は、バイデン次期大統領が掲げる1兆9000億ドル(約197兆円)規模の経済対策は必須の支援措置だとして支持を求めたが、共和党からは早速反発の声が上がった。上院財政委員会での承認公聴会に臨んだイエレン氏は「大胆な行動」を議員らに求めたが、共和党は同経済対策に消極的。チャック・グラスリー財政委員長(共和)は「今はリベラルな経済構造改革に関する一連の項目を実行する時ではない」とし、昨年12月には9000億ドル規模の経済対策が承認されたばかりだと述べた。
ドル政策転換か
イエレン氏はまた、「競争上の優位を得るために弱い通貨を米国が目指すことはなく、他国によるそうした試みを認めるべきではない」とも発言した。いわゆる強いドル政策への回帰を示唆する発言だ。強いドル政策はクリントン政権以来の米国の方針だったが、トランプ大統領が実質的に放棄していた。中国については、知的財産権を窃取しているなどとし、そうした行為に対抗する用意がバイデン次期政権にはあると述べた。
純利益2倍超
ゴールドマン・サックス・グループの2020年10-12月(第4四半期)は、投資銀行業務の収入増が寄与し純利益が2倍強に増えた。投資銀行業務の収入は前年同期比27%増加。株式引き受け手数料がほぼ3倍となった。株式トレーディング収入は40%増え、市場予想を下回った債券トレーディングの低調を補った。デービッド・ソロモン最高経営責任者(CEO)は発表資料で、「従業員は自宅や劇的に変化したオフィスで働き、仕事上および個人的な課題に見事に対応した」と称賛した。
8億ドル余り戻し入れ
バンク・オブ・アメリカ(BofA)は2020年10-12月(第4四半期)に、貸倒引当金8億2800万ドル(約860億円)を戻し入れた。セールス・トレーディング収入は前年同期比7%増の30億6000万ドルとなり、アナリスト予想の31億5000万ドルには届かなかった。債券トレーディングの予想外の低調が響いた。純利益は54億7000万ドルに減少。アナリスト12人の予想は49億ドル。1株当たり利益は59セントで、アナリスト予想の55セントを上回った。
10年債利回り2%も
新型コロナウイルスで打撃を受けた米経済の回復が、10年物米国債の利回りを2021年末までに現在の2倍近くにまで押し上げる可能性があると、JPモルガン・アセット・マネジメントが予想した。米国の財政支出拡大と世界的なワクチン普及でインフレリスクが再燃し、米10年債利回りが年内に2%に達する可能性があるとみている。
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