オルタナ右翼や陰謀論者が広く利用するソーシャルネットワークサービス(SNS)の米パーラーは、ロシア人が所有するインターネットセキュリティー企業のサービスを通じてウェブサイトを再開した。パーラーは今月、取引先によるサービス提供打ち切りを受けていた。
ジョン・マッツェ最高経営責任者(CEO)は「懸命な取り組みと、あらゆる困難に立ち向かう粘り強さを考えれば、われわれの復活は不可避だ」と投稿。パーラーを巡っては、アマゾン・ドット・コムのクラウド部門「アマゾン・ウェブ・サービス」がサービス提供を停止したほか、アップルとグーグルもアプリストアから排除した。6日に起きた連邦議会議事堂への乱入事件で、暴力の扇動に利用されたことが背景にある。マッツェCEOは「脅迫や嫌がらせにもかかわらず、パーラーの従業員は誰一人として辞めていない。チームとして結束を固め、力を増している」と述べた。
パーラーは現在、DDoSガードという企業のホスティングサービスに依存している。英企業登記局への届け出によれば、DDoSガードはロシア人2人が所有。同社ウェブサイトによれば、エディンバラの住所をオフィス所在地として登記している。
パーラー・ドット・コムというドメイン名に関連した公開データによれば、ウェブサイト訪問者の誘導に利用されるインターネットサーバーの一つはDDoSガードを経由する。パーラー・ドット・コムのサイトではなく電子メールの転送に利用される別のサーバーは、米マイクロソフトが運営するアウトルック・ドット・コムのアドレスとなっている。
DDoSガードの広報担当は、パーラーのホスティングを否定。パーラーにどのようなサービスを提供しているかについてはコメントを避けた。サービスの一環として顧客データを保管したことは認めた。マイクロソフトからはこれまでコメントを得られていない。
パーラー・ドット・コムのサイトは19日の早い段階で、マッツェCEOと従業員からのメッセージを除き大半の機能は引き続き利用不可能となっているもよう。メンバーはログインやメッセージの投稿ができず、アップルとグーグルのアプリストアでも利用不可の状態が続いている。
原題:Parler Reappears With Help From Russian-Owned Security Service(抜粋)