[ワシントン 22日 ロイター] – 米民主党上院トップのシューマー院内総務は22日、トランプ前大統領に対する弾劾決議が25日に上院へ送付されると明らかにした。これによりトランプ氏の弾劾裁判が始まる見通しになった。

前日には共和党上院トップのマコネル院内総務が、弾劾裁判の開始を2月半ばまで遅らせるよう提案していた。民主党は共和党の要求を突っぱねた格好だ。

シューマー氏は2度目となるトランプ氏の弾劾裁判の開始時期について言及しなかったが、バイデン政権の主要人事に関する承認を迅速に進める必要があると強調した。

また、「下院は弾劾決議を上院に送付し、上院はトランプ氏の弾劾裁判を行う。これは完全かつ公正な裁判になるだろう」と述べた。

民主党のペロシ下院議長は声明で25日の弾劾決議送付を認めた。

ホワイトハウスのサキ報道官は記者団に対し、上院が弾劾裁判とバイデン大統領が進める1兆9000億ドル規模の景気対策法案などの審議を同時に進めることは可能とした上で、「現在の危機時に国民を救済するバイデン大統領の提案は、このプロセスにおいて遅らせることができない」と強調した。

マコネル氏はこの日、下院に対し決議送付を来週28日まで先送りするよう要請。トランプ氏の弾劾が下院で前例のないほど迅速かつ最小限の手続きで始まったとした上で、「上院ではトランプ氏の法的手続きを否定したり、上院や大統領職そのものに損害を与えるような不十分な手続きは起こり得ない」と表明した。

上院の規則によると、弾劾裁判は弾劾決議が上院に送付された翌日(日曜日を除く)の午後1時から開始されることになっている。

ただ、米上院民主党ナンバー2のダービン議員はMSNBCに対し、議員は「腰を据え、可能な限り緻密に計画を立て、利用可能な全ての時間をかけるだろう」と述べた。

トランプ氏の命運はマコネル氏が握るとされる。マコネル氏は19日、今月6日に起きた連邦議会議事堂の乱入事件はトランプ氏が誘発したものと非難した。