[マドリード/アムステルダム/パリ 25日 ロイター] – スペインで週末に確認された新型コロナウイルスの新規感染者数は9万3822人と過去最多を記録した。10万人当たりの感染者数(2週平均)も885人と最多を更新し、地方当局は制限措置強化に動いている。
スペインの感染者数は累計259万3382人。死者数は767人増え5万6208人となった。
保健緊急警報調整局のフェルナンド・シモン局長は記者会見で、集中治療室(ICU)の負担軽減に向け感染を迅速に抑制する追加対策が必要だと強調。感染力の高い英国の変異種が占める割合は5%で感染拡大の要因ではないが、3月までには変異種が猛威を振るう可能性があるとした。
この中、コロナ対応を率いてきたイラ保健相はカタルーニャ州の選挙に出馬するため辞任を表明。関係者によると、イラ氏と緊密に協力してきたダリアス地方行政相が後任に就く可能性が高いという。26日に正式発表される見込み。
感染拡大を受け、地方当局は制限措置を強化。ガリシア州では家族以外との交流を制限したほか、不要不急の事業について午後6時以降の閉鎖を命じた。
バレンシア州とムルシア州は2人以上の集まりを禁止。マドリード州では夜間外出禁止令を1時間前倒して午後10時からとし、無人機や警察官を増やして順守徹底を図るとした。
一方、オランダでは厳格なロックダウン(都市封鎖)措置や夜間外出禁止令に対する抗議デモが各都市で継続。25日にロッテルダムやヘレーンで発生したデモの目的は現時点で明らかになってないが、10─20歳代の若者による参加が目立った。
ルッテ首相はこの日、週末の抗議デモで警察が攻撃を受けたり、火が放たれたりした行為を非難。警察当局によると、週末に数百人が拘束されたという。
オランダの感染者数は累計で95万2950人。死者数は1万3579人。
また、フランスでは新型コロナ感染症による入院者数が過去2日間で1000人以上増加。ICUで治療中の患者数は昨年12月9日以降で初めて3000人を超えたという。
医療専門家の間ではフランスで3回目となるロックダウン措置を求める声が高まっているが、マクロン大統領は10日前に導入された午後6時以降の外出禁止令が感染抑制に十分との見方を示している。
フランスの感染者数は4240人増の305万7857人と世界で6番目に多い。死者数は445人増の7万3494人と世界で7番目の多さとなった。