【ソウル聯合ニュース】韓国の統一部高官は25日、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党総書記の妹、金与正(キム・ヨジョン)党副部長について、記者団に「形式的な地位とは別の側面で実質的な役割と影響力は続いている」との見方を示した。

 与正氏は今月開催された党大会で政治局候補委員から外され、中央委員会委員となった。また、党第1副部長から副部長に降格したことも確認された。

 同高官は「(与正氏は)依然として党中央委員会委員の序列では20位以上の状態」とし、与正氏の役割についても「(対韓・対米関係を巡る役割を)誰かが代替したとの情報がないため、役割も続いているとみている」と説明した。

 北朝鮮がバイデン米大統領について公式に言及していないことに関しては、「米国が平壌に対し、どのような態度と政策方向を示すか注視するという側面で解釈できる」と述べた。

 北朝鮮制裁の効果については、「効果はまだ出ておらず、北は(自力更生で)耐える覚悟をしているとみられる」と指摘。「制裁を柔軟に適用し、非核化を促進させる方向で進めることを米国が検討する必要がある」との認識を示した。

 金総書記の韓国訪問の可能性に関しては、「文在寅(ムン・ジェイン)大統領の任期中に行われることが望ましい」とし、「今年と来年に複数の選挙があり、文大統領の任期末ということを考慮すれば、今年訪問が行われることが望ましい」と述べた。

 李仁栄(イ・イニョン)統一部長官が強調してきた北朝鮮に対する新型コロナウイルスワクチンの支援など防疫協力に関しては、「国民をコロナから安全にする状況が優先されなければ北との防疫協力を優先するとは言えない」と話した。