[ワシントン 26日 ロイター] – 国際通貨基金(IMF)のチーフエコノミストを務めるギタ・ゴピナート氏は26日、バイデン米政権が提案する1兆9000億ドルの新型コロナウイルス追加経済対策について、国内では向こう3年間で5%の生産押し上げ効果が期待できるという見方を示した。

追加経済対策に伴い2021年の米経済成長は1.25%分膨らむと指摘。IMFの米経済成長見通しは20年がマイナス3.4%、21年がプラス5.1%、22年がプラス2.5%。

ゴピナート氏は、米経済対策が世界経済に与える影響は算出していないとし、議会が承認する法案の内容を待ちたいと述べた。

また、新型コロナ危機はなお緊急事態にあるとし、「米国のワクチン接種と検査を加速する必要がある。苦境にある家計や企業にも的を絞った支援を行うべき」と語った。

一方で、連邦レベルの最低賃金を現行の7.25ドルから15ドルに引き上げるバイデン大統領の計画については慎重な対応を促し、貧困と不平等を減らすことにつながる可能性はあるが、他では見られない引き上げ幅で影響を評価するのは難しいとした。

米共和党上院トップのマコネル院内総務は25日夕、経済対策法案について、民主党側と協力しながらフィリバスター(議事妨害)を回避しつつ、法案の大部分の可決を目指す可能性があると述べた。

これに対し、民主党上院トップのシューマー院内総務は26日、上院で共和党から支持を得られなければ、民主党のみで法案成立に向け行動するという考えを示した。