現在、国内で広がっているものとは異なるタイプの新型コロナウイルスが入院患者から検出されたと東京医科歯科大学のグループが発表しました。イギリスで報告された変異ウイルスとは異なり、感染力が高いという報告はありませんが、空港の検疫以外で国内で見つかったのは初めてだとしています。

これは、東京医科歯科大学の武内寛明講師らの研究グループが、オンラインで記者会見して発表しました。

グループでは、附属病院に入院した患者の検体を採取して、ウイルスの遺伝情報を詳しく調べていて、去年11月から12月にかけて入院していた患者3人から空港の検疫以外では見つかっていなかった、イギリスやアメリカなどで広がっているタイプの3種類のウイルスが検出されたということです。

ウイルスは、イギリスや南アフリカなどから報告されている変異したウイルスとは異なるもので、感染力が高いという報告はないということです。

いずれの患者も海外への渡航歴がないため、国内で市中感染した可能性が高く3人のうち2人は重症だったということですが、病原性が強まっているという情報はなく、さらに調査や解析が必要だとしています。

武内講師は「海外から別の系統のウイルスが入ることで、さらに変異が起こる可能性もある。水際対策の強化とともに個人でも感染しない、広げない行動を取ることが大切だ」と話していました。