オックスフォード大学は、アストラゼネカファイザーそれぞれの新型コロナウイルス感染症(COVID19)ワクチンを両方接種させる臨床試験を開始する。結果次第では、世界的に供給が不十分なワクチンを利用する上で柔軟性が高まる可能性がある。

  4日の発表文によると、同大は今週、英国8カ所で50歳以上の被験者820人の募集を開始する。アストラゼネカとファイザーのワクチンは順番を変えて接種し、1回目と2回目の接種間隔は4週間および12週間となる。

  治験では異なるワクチン接種の効果が同じワクチンを2回接種した場合と比べて優れているかどうかが分かる見通しで、製造に支障が出たワクチンメーカーに供給を迫る圧力が緩和される鍵になるとみられる。

  この治験を主導するオックスフォード大のマシュー・スネープ氏によると、被験者登録は今月完了し、初期データは6月ごろに判明する見通し。英政府が治験に700万ポンド(約10億円)を拠出した。

  免疫応答を高めることを狙った異なるワクチン接種はA型肝炎やB型肝炎向けなどでよく行われる。ただ今回の治験は異なる組み合わせによる有効性ではなく、副反応や免疫応答を調べることになる。

関連記事
EU、新型コロナワクチンの域外輸出を制限へ-争奪戦勃発のリスク

原題:Astra, Pfizer Covid Vaccines to Be Combined in Oxford Trial(抜粋)