ミャンマーで起きたクーデターへの対応を協議してきた国連の安全保障理事会は4日、軍に対してアウン・サン・スー・チー国家顧問などの即時解放を求める声明を発表しました。
安保理は2日、ミャンマーへの対応を話し合う緊急の会合を非公開で開き、議長国イギリスが示したクーデターを非難する声明の草案について意見を交わしましたが結論は出ませんでした。
その後、4日になって安保理は議長のウッドワード国連大使が報道機関向けの声明を発表し「ミャンマー軍が非常事態宣言を発表しスー・チー氏などを一方的に拘束したことに深刻な懸念を表明する」としたうえで全員の即時解放を求めました。
一方、ミャンマー軍と関係の深い中国の国連代表部は声明の発表には曲折があったとしたうえで「国際社会はミャンマー国内の意見の違いを解決するために安定した外部環境を整えるべきだ」とする声明を独自に発表し、軍への圧力を強めたい欧米とは一線を画す姿勢を示しました。
安保理はスー・チー氏の解放を求めることで結束を示したものの、報道機関向けの声明は声明のレベルとしては低いもので、欧米各国が求めてきたクーデターに対する非難などは盛り込まれず、事態の打開に向けて具体的な行動を取れるかは不透明です。