株価が低迷していた銘柄が1月に次々と急騰を演じていた時、グーグル検索では「ロビンフッドでオプションを取引する方法」に関する質問が急増した。
設立からわずか3年の投資アプリ運営会社ロビンフッド・マーケッツは、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)の中で日の出の勢いを見せ、熱狂するリテール(小口)投資家集団に選ばれるツールの地位を確立した。
新たな開示情報によると、ロビンフッドの月間オプション取引の出来高は昨年3倍に増加。創業50年の業界大手で、TDアメリトレード・ホールディングを買収したばかりのチャールズ・シュワブに次いで2位となった。オプション取引サービスの提供は収益性が高く、ロビンフッドの重要な収益源であるオーダーフローからの収入の約3分の2を占めていた。オプション取引1件当たりの収益は100株の売買を上回る。
しかし、ロビンフッドが大きな利益を手にすると同時に、手数料無料で証券取引を仲介する各社が1月の市場混乱において果たした役割や、オプション取引に手を染めようとする投資初心者をきちんと審査したのかを問う動きが強まった。オプション取引はリターンを拡大できるものの、株価変動を増幅し得ることから、議会や規制当局はロビンフッドに厳しい質問を投げかけている。
ロビンフッドのアプリでは、スマートフォンに詳細を入力すれば顧客は数分で同社の最も高度なオプション戦略を活用できるようになり、複雑な投資を直ちに開始できる。競合するシュワブやモルガン・スタンレー傘下のEトレードでは、同様のアクセスの承認を得るのに数日を要する。
ロビンフッドのオプション投資家審査を巡る懸念は、20歳のユーザーの自殺が昨年6月に報じられたことをきっかけに高まった。遺族の話によれば、自殺した男性はアプリを使ってオプションに賭けていたが、残高が70万ドルを超えるマイナスになったのを見て衝撃を受けたとみられる。この悲劇は、ロビンフッドが顧客に理解できないリスクを取らせているのではないかという議論を招き、米議員らは投資初心者を保護する同社の責任を強く指摘する書簡を送付した。
昨年はロックダウン(都市封鎖)の中、数百万人が暇つぶしと金もうけのためにロビンフッドで口座を開設し、同社のオプション取引プラットフォームの人気は沸騰した。12月までには同社プラットフォームでの月間出来高が年初から197%急増し、増加率はシュワブとTDを合わせた54%増を圧倒したことが、ブルームバーグ・インテリジェンスが集計したデータから分かっている。
原題:Robinhood Tallies an Options Bonanza While Newcomers Wreak Havoc(抜粋)