[ニューヨーク 10日 ロイター] – 終盤のニューヨーク外為市場では、緩慢なインフレ指標と国債利回り低下が重しとなり、ドルが2週間ぶり安値を付けた。
午後の米債市場では10年債利回りが約2ベーシスポイント(bp)低下の1.137%。
米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長が10日行った講演は全体的にハト派的な発言で、最大雇用と物価目標の達成まで金利を現在の水準に維持すると改めて確認した。
1月の米消費者物価指数(CPI、季節調整済み)は前月比0.3%上昇し、市場予想と一致。ガソリンが値を上げた一方、航空運賃が下がり全体を抑制した。新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)により労働市場とサービス産業が打撃を受ける中、物価上昇はしばらく弱めの状態が続くことを示唆し、ドルを押し下げた。
クラリティーFXのエグゼクティブディレクター、アモ・サホタ氏は「ドルは勢いを失っており、基調的に弱いトレンドが続くだろう。今日の動きはCPIが中心だった」と述べた。
ドル指数は90.249まで下落して3日続落。終盤では0.1%安の90.377で推移した。先週までは年初来で2%超上昇していた。
暗号資産(仮想通貨)のビットコインは2.7%安の4万5208ドル。米電気自動車のテスラがビットコインへの投資を発表したことを受け、前日には4万8216ドルの最高値を付けていた。イーサリアムもこの日、最高値を更新したが、直近では1.5%安の1746ドル。
ドルは対円で0.1%高の104.64円。円は一時1月29日以来の高値を付ける場面もあった。
ユーロは3日続伸し、小幅高の1.2126ドル。英ポンドは1.3865ドルまで上げ、3年ぶり高値を更新。終盤は0.2%高の1.3840ドル。
ドル/円
NY終値 104.57/104.61
始値 104.76
高値 104.82
安値 104.55
ユーロ/ドル
NY終値 1.2116/1.2120
始値 1.2123
高値 1.2139
安値 1.2114