[11日 ロイター] – 共和党の元政府当局者らが中道右派の第三政党の結成に向け協議を進めていることが分かった。トランプ前大統領や、米国の民主主義をむしばむ同氏の行為に立ち向かう意欲が共和党にないとの不満が背景にある。4人の関係筋がロイターに話した。
協議は初期段階で、レーガン政権やブッシュ父子政権、トランプ政権に属していた当局者が参加している。
120人以上が5日にオンラインで協議した。共和党から離脱する可能性がある第三の政党は、憲法の順守や法の支配などの「保守主義の原則」を基盤とする。計画では、選挙で候補者を立てるほか、共和党や無所属、民主党に関係なく中道右派の候補者を支持する。
2016年の大統領選で無所属で出馬し、共和党下院議員団の政策担当を務めていたエバン・マクマリン氏はロイターに対して、トランプ氏による共和党の支配と移民排他主義になってしまった党を不安視する元当局者と会議を共催したと話した。
こうした協議の開催は、選挙に不正があったとするトランプ氏の主張や1月6日に起きた米議会襲撃を巡り共和党内で意見が割れていることを改めて示すもの。大半の共和党派はトランプ氏に忠実である一方、一部は共和党を新たな方向へ導こうとしている。
トランプ氏の報道官、ジェイソン・ミラー氏は第三政党の協議について「この負け犬たちはバイデン氏を選んだ時点で共和党から離脱した」と話した。
マクマリン氏は、先週の会議に参加した人のうち40%超が全国レベルの党離脱を支持したと述べた。党内または党外で「派閥」を結成することも選択肢だという。
協議の参加者は、これまでに全国レベルの第三政党の結成が失敗に終わった例がたくさんある現実を認識している。ある参加者は「ただ、私の人生で経験したことがないほど、新たな政党への渇望がある」と話した。