[東京 15日 ロイター] – 電通グループが15日発表した2020年12月期の連結業績決算(国際会計基準)は、純損益が1595億円の赤字だった。赤字額は過去最大で、前期の808億円の赤字からさらに拡大した。海外事業などに起因するのれんの減損損失1421億円、国内事業の構造改革にかかる費用約240億円を計上したため。21年12月期の連結業績・配当予想については公表を見送った。

オンラインで会見した曽我有信取締役は減損損失について、事業改革を求められる環境の変化、日本を含む事業の将来性に対する見積もりの見直しなどを踏まえたと説明した。

新型コロナウイルス感染拡大により、今は変化が後押しされる環境にあるとの認識を示し、「顧客から求められるわれわれの事業も変えていかなければいけない」と語った。

構造改革については、「シンプルに拡大してきた人や顧客との取引環境を整理して、より効率的にわれわれの事業に活用していく」と述べた。

21年12月期の連結業績予想は、世界経済のマクロ環境が不安定であることから、開示はしていない。配当予想の公表も見送った。

IBESのコンセンサス予想では、アナリスト9人による連結純利益の予想平均値は400億円となっている。

曽我取締役は、約5カ月後に迫る東京五輪・パラリンピックについて、「現時点では開催されるものと願っている。東京都に本社を置く立場として、微力ながら支援していきたい」と述べた。