異例の寒波による停電は米中部の400万余りの世帯や企業に拡大し、メキシコにも広がっている。
テキサス州では数百万世帯への電力供給が停止。ノースダコタ州やオクラホマ州を含む14州をカバーする送電網を管理するサウスウェスト・パワー・プール(SPP)は15日、各事業者に対し計画停電の開始を指示した。
SPPは発表資料で、計画停電の指示を余儀なくされたのは初めてであり、送電網を守るための他の選択肢は全て使い果たしたと説明とした。
パワーアウテージ・ドット・USによると、テキサス州では午後の半ば時点で380万の顧客への供給が停止。カンザスやミズーリ、アーカンソー、ルイジアナなどの州でも22万5000余りの顧客が電力供給を受けられない状態にある。
テキサス州を襲っている厳寒が天然ガスの供給不足を招き、発電所が操業停止を余儀なくされたため、メキシコでは40万以上の世帯や企業、その他ユーザーへの電力供給がストップ。送電網を管理する国家エネルギー管理センター(CENACE)によると、これらのうち約60%には正午までに供給が再開された。
テキサス州ではダラスやヒューストンなど広範囲にわたり計画停電が実施されている。同州での寒波による計画停電は2011年以来。
ヒューストンの気温は現地時間午前5時時点でカ氏18度(セ氏マイナス8度)と、アラスカ州アンカレッジと同水準。ダラス・フォートワース地区ではカ氏5度となっている。
テキサス州の電力網を運営するテキサス電気信頼性評議会のトップ、ビル・マグネス氏は「全ての送電事業者、そして電力会社が今も電力復旧に当たっている」と述べた。
同州では現地時間15日午前9時半すぎに電力のスポット平均価格が上限の1メガワット時9000ドル(約94万8000円)に達した。
関連記事 |
---|
原油先物が一段高、テキサス州寒波でパーミアン盆地の生産縮小 |
米テキサス州、厳寒で計画停電の恐れ-ダラスでマイナス16度の予報 |
原題:Blackouts Cascade Beyond Texas in Deepening Power Crisis (2)、Blackouts Hit 13 States Beyond Texas in Deepening Power Crisis(抜粋)