世界貿易機関(WTO)はナイジェリア元財務相のヌゴジ・オコンジョイウェアラ氏を新事務局長に選出した。初の女性トップであり、アフリカからの選出も初めてとなった。保護主義の台頭と新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)で揺らいだ世界の貿易システムを、規律に基づく制度に戻すべく信頼を回復する責務を負う。

  15日にバーチャル形式で開かれたWTO一般理事会は、全会一致でオコンジョイウェアラ氏(66)を選出。4年の任期を同氏に託した。3月1日に就任し、任期は2025年8月31日までとなる。オコンジョイウェアラ氏は世界経済が不安定で、WTO自体が機能不全に陥っている時期に就任する。トランプ前米政権は同氏の起用に反対していたが、政権が変わって就任にこぎ着けた。

  オコンジョイウェアラ氏は直近では、途上国へのワクチン普及を推進する国際組織「Gaviワクチンアライアンス」の理事長を務めてきた。その前にはナイジェリア財務相を2期務め、世界銀行にも約25年間在籍した。ナイジェリアと米国の2つの国籍を有する同氏は、米国人としても初のWTO事務局長となる。

原題:WTO Formally Picks Okonjo-Iweala as Its First Female Leader (1)(抜粋)