米ゲームストップの株価乱高下を巡り米下院金融委員会が18日に開いた公聴会で株取引アプリ運営の米ロビンフッド・マーケッツとヘッジファンド運営会社シタデルの経営幹部が議員らと論戦を展開した。議員らは両社が個人投資家を犠牲にして利益を得ているのではないかと追及したが明確な回答を得られず、不満をあらわにした。
ゲームストップの18日終値は11%安の40.69ドルと、約1カ月ぶりの安値を付けた。
注目を集めた同公聴会で、ロビンフッドのウラジミール・テネフ最高経営責任者(CEO)とシタデルを率いるケネス・グリフィン氏はゲームストップ株などの取引制限や、取引手数料無料をうたっているロビンフッドのアプリは本当に「無料」なのかといった問題で集中砲火を浴びた。
取引制限を巡っては、個人投資家よりも自分たちの利益を優先させるため両社が連携したのではないかとの陰謀論がワシントンで広がっていた。
テネフ、グリフィン両氏の発言が途中で遮られたり、議員らから冷笑を受けたりする場面もあったが、両氏は一貫して、長くウォール街が独占してきた市場への個人投資家のアクセスを社として助けてきたと主張した。
ロビンフッドは個人投資家にリスクを十分に伝えていないと批判されてきた。マロニー下院議員(民主)は、「個人投資家が足元をすくわれることがないようにする」必要があると指摘。
テネフ氏はロビンフッドが顧客に必要な対応ができていなかったと認めた上で、「起きてしまったことを遺憾に思う」と発言。「これまで全く誤ちがなかったと言うつもりはなく、今後、改善していくということを約束したい」と語った。
シャーマン下院議員(民主)はグリフィン氏の不明確な回答に不満を表し、「あなたのために私は時間を無駄にしている」と非難した。
下院金融委員会のウォーターズ委員長は「米国の多くの人々は制度が自分たちにとって不利で、何があろうと常にウォール街が勝つと思っている」と指摘。ゲームストップ株の問題は一部ヘッジファンドの「略奪的な手法」を浮き彫りにしたとの認識を示した。
オンライン掲示板「レディット」への書き込みに呼応した個人投資家の攻勢を受け、巨額の損失を被ったファンド運営会社メルビン・キャピタル・マネジメントの創業者ゲイブ・プロトキン氏も公聴会で証言。ヘッジファンド業界は再びこのような事態を招かないよう順応するだろうと述べた。
同氏は、ゲームストップ株の天文学的なショートポジション積み上げに言及。「私のような投資家はこの種のダイナミクスに影響を受けやすい状態を望んでいないと思う」とし、今後はオンライン掲示板を一段と注視していく意向を示した。
原題:Robinhood, Citadel CEOs Spar With Lawmakers Over Retail Trading、GameStop Slumps as Lawmakers, Fund Chiefs Spar on Retail Traders、Plotkin Says Hedge Funds Will Adapt in Wake of GameStop Rout、GameStop Shows ‘Predatory Ways’ of Wall Street, Waters Says (1)(抜粋)