【パリ時事】汚職などの罪で有罪判決を受けたフランスのサルコジ元大統領(66)が反撃に出ている。自身の違法献金疑惑をめぐる捜査情報提供の見返りに利益供与を持ち掛けたとして、禁錮3年(実刑1年、執行猶予2年)を言い渡した1日の判決について、仏メディアの取材に「極めて不当だ」と主張。国内の裁判所で無罪主張が認められなければ、欧州人権裁判所への提訴も辞さない構えを見せている。
サルコジ氏は3日、仏テレビに出演し「自分がやっていないことに対する非難には屈しない」と上級審で争う姿勢を強調。同日付のフィガロ紙とのインタビューでは「フランスを相手に欧州人権裁へ訴え出る用意がある」と述べた。
2007~12年に大統領を務めたサルコジ氏は、17年の大統領選で右派・共和党の候補者選びに敗れ、政界を引退。その後も強い影響力を持ち続け、22年の大統領選出馬に期待する声も上がっていた。
マクロン大統領に近いことでも知られるサルコジ氏は「次期大統領選には出馬しない」と表明しているが、有罪判決が確定し政治的影響力を失うのは何としても避けたい考えだ。
サルコジ氏をめぐっては、07年の大統領選でリビアの故カダフィ大佐から違法な政治献金を受けた疑いでも司法当局が捜査中。12年の大統領選での不正な資金調達疑惑でも起訴されており、17日に公判が始まる予定。