[ワシントン 10日 ロイター] – 米労働省が10日に発表した2月の消費者物価指数(CPI、季節調整済み)は、総合指数が底堅く上昇する一方、サービス業の需要低迷などを背景に、食品・エネルギーを除いたコア指数の伸びは引き続き落ち着いた伸びを示した。

しかし、新型コロナウイルスの感染状況が改善し、順調なワクチン接種計画を背景に経済活動の再開が見込まれる中、インフレ率が4月までに米連邦準備理事会(FRB)の目標である2%を超えて上昇することが引き続き予想されている。

コア指数の伸びは前月比で0.1%にとどまり、予想の0.2%を下回ったほか、前年比でも1.3%と、1月の1.4%から鈍化した。

総合指数の伸びは前月比0.4%で、予想と一致。前年比では1.7%と、昨年2月以来の大幅な伸びとなった。ガソリン高が全体の物価を押し上げた。

オックスフォード・エコノミクスの米金融エコノミスト、キャシー・ボスジャンシック氏は「経済再開に伴う一時的な物価上昇やサプライチェーンのボトルネックを引き金とする物価上昇の波及効果によって、コアインフレ指数が春に2.5%に上昇する可能性がある」と予想。「しかし、インフレ加速は一過性で、上昇スパイラルの始まりではないだろう」と述べた。

一方、労働市場に目を向けると、少なくとも1800万人が失業給付を受けるなどスラック(緩み)が目立つ。TDセキュリティーズの米国担当チーフエコノミスト、ジム・オサリバン氏は「すう勢として、労働市場のスラックが今後の物価の重要なけん引要因になる」と指摘した。

内訳では、ガソリンが前月比6.4%上昇。1月も7.4%伸びていた。食品は0.2%上昇。このうち家庭用食品は0.3%、家庭外食品は0.1%の伸びだった。