[ニューヨーク 11日 ロイター] – ニューヨーク外為市場では、欧州中央銀行(ECB)の決定と米国債入札を受け楽観的な見方が台頭したことで、リスク資産に対する需要が増大し、ドルが1週間ぶりの安値を付けた。
ECBはこの日の理事会で、正当化できない借り入れコストの上昇を防ぐために、1兆8500億ユーロ規模のパンデミック緊急購入プログラム(PEPP)をこれまでより寛大に利用していくと表明。「次の四半期にかけて、PEPPの下での買い入れを今年の初めの数カ月と比べてかなり速いペースで実施すると理事会は予測している」とした。
財務省が実施した240億ドルの30年債入札は、最高落札利回りは2.295%と、入札前取引の水準よりも高くなったほか、応札倍率は2.28倍で平均を下回った。ただ、利回りの安定化には十分な需要があった。
ソシエテ・ジェネラルの外為戦略部門責任者、キット・ジュックス氏は「インフレ高進懸念について、市場は過度に敏感になっていた」と指摘。TDセキュリティーズのシニア外為ストラテジスト、マゼン・イッサ氏は「国債入札に関して今週は良いニュースが相次いだほか、ECBは期待以上の決定を行った」とし、こうしたことが「リスク資産に対する追い風となった」と述べた。
主要6通貨に対するドル指数は0.41%低下の91.435。9日に92.506と3カ月ぶり高水準を付けた後は低下が続いている。
ユーロは対ドルで約0.44%高の1.19815ドル。ただ、年初からは約2%下げている。OANDAのシニア市場アナリスト、エドワード・モヤ氏は、新型コロナウイルス感染拡大がユーロ圏の重しになっていることなどで、ユーロの上値は重いとの見方を示した。
豪ドルとニュージーランドドルは、コモディティー価格の上昇を反映し3日続伸。ともに対米ドルで1週間ぶりの高値を更新した。
暗号資産(仮想通貨)ビットコインは2.6%高の5万7300.83ドル。ビットコイン相場はこのところ持ち直しているが、2月21日に付けた過去最高値の5万8354.14ドルは回復していない。
ドル/円
NY午後4時 108.44/108.45
始値 108.46
高値 108.71
安値 108.37
ユーロ/ドル
NY午後4時 1.1987/1.1991
始値 1.1962
高値 1.1989
安値 1.1929