政府・与党は12日、新型コロナウイルス感染拡大で困窮する子育て世帯に「臨時特別給付金」を配る方針を固めた。支給は3度目で、過去2回はひとり親世帯が対象だったが、今回は低所得のひとり親世帯に加え、ふたり親世帯にも配る。

 菅義偉首相が来週にも発表する方向で調整している。政府・与党関係者によると、ひとり親・ふたり親に関係なく低所得の子育て世帯を対象とし、子ども1人の場合は5万円を支給する。第2子以降は過去2回は1人当たり3万円だったが、今回は5万円に引き上げる。

 臨時特別給付金は、昨年6月に成立した第2次補正予算で最初の支給をした後、昨年12月にも予備費を使って2度目の支給を決めた。いずれも、児童扶養手当の受給者や感染拡大の影響で家計が急変したひとり親世帯などが対象で、子ども1人の場合は5万円、第2子以降は1人当たり3万円を配る内容だった。

 ただ、コロナ禍が長引き、2度目の緊急事態宣言でひとり親だけでなく、ふたり親の子育て世帯も困窮しているとして、支援団体はふたり親も含めて3度目の支給をするよう政府に要望。野党4党がふたり親も含めた貧困状態にある子育て世帯向けの給付金支給法案を提出したほか、与党内からも支給を求める声が出ていた。

 田村憲久厚生労働相は12日の記者会見で再給付について「緊急事態宣言を延長した状況、それぞれの家庭の状況を見ながら最終的に判断する」と語った。